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アトリビューションモデルとは?意味から種類、設定、分析方法まで解説!

SNS広告の効果測定に課題を感じていませんか?様々な施策の効果を正しく理解し、費用対効果を最大化するためには、アトリビューションモデルの理解が不可欠です。アトリビューションモデルとは、コンバージョンに至るまでの各タッチポイントに貢献度を割り当てる手法のこと。この手法を理解することで、どの広告や投稿がコンバージョンに繋がりやすいかを分析し、効果的な予算配分を行うことができます。本記事では、アトリビューションモデルの基本から、主要なモデルの種類、SNS広告における活用方法、具体的な分析手順、そして成功事例までを網羅的に解説。Googleアナリティクスなどのツール活用方法も紹介することで、明日から実践できる具体的なノウハウを提供します。これを読めば、複雑な顧客行動を紐解き、SNS広告戦略を最適化するための知識とスキルが身につきます。


目次[非表示]

  1. アトリビューションモデルとは
    1. 1. そもそもアトリビューションとは
    2. 2. なぜアトリビューションモデルが重要なのか
  2. 主なアトリビューションモデル
    1. 1. ラストクリックアトリビューション
    2. 2. ファーストクリックアトリビューション
    3. 3. 線形アトリビューション
    4. 4. タイムディケイアトリビューション
    5. 5. U字型アトリビューション
    6. 6. カスタムモデル
  3. SNS広告におけるアトリビューションモデルの活用
    1. 1. SNS広告の特徴とアトリビューションの難しさ
    2. 2. 適切なアトリビューションモデルの選び方
  4. アトリビューションモデル分析の具体的な手順
    1. 1. ツールを活用したアトリビューション分析
    2. 2. 広告管理ツールごとの分析機能の活用
  5. 5. アトリビューションモデル活用事例
    1. 事例1 ECサイトでのアトリビューション分析と改善
    2. 事例2 BtoB企業のリード獲得におけるアトリビューション分析
  6. アトリビューションモデルとSNS広告の効果測定
    1. 1. コンバージョンまでの流れを可視化する
    2. 2. SNS広告の効果を正しく評価する
    3. 3. アトリビューションモデルに基づいたSNS広告戦略の最適化
  7. まとめ


アトリビューションモデルとは

アトリビューションモデルとは、コンバージョン(商品の購入、資料請求、会員登録など)に至るまでに、様々なタッチポイント(顧客接点)がどの程度貢献したかを評価するためのモデルのことです。 ウェブサイトへの訪問、広告のクリック、SNSでの投稿閲覧など、顧客がコンバージョンに至るまでには、様々な経路を経て複数のタッチポイントが存在します。アトリビューションモデルは、これらのタッチポイントそれぞれにコンバージョンへの貢献度を割り当てることで、マーケティング施策の効果を分析し、最適化するために用いられます。

1. そもそもアトリビューションとは

アトリビューションとは、日本語で「帰属」を意味します。マーケティングの世界では、コンバージョンに対してどのタッチポイントがどれだけの貢献をしたかを判断し、その貢献度を割り当てることを指します。

例えば、あるユーザーが最初に検索広告をクリックし、その後SNS広告を見て、最終的にウェブサイトを直接訪問して商品を購入した場合、このコンバージョンはどのタッチポイントに「帰属」するのでしょうか?アトリビューションはこの問いに答えるための考え方です。単純に最後のタッチポイントだけを評価するのではなく、コンバージョンに至るまでのすべてのタッチポイントを考慮することで、より正確なマーケティング効果測定が可能になります。

2. なぜアトリビューションモデルが重要なのか

アトリビューションモデルが重要な理由は、マーケティング予算を効果的に配分し、ROI(投資対効果)を最大化するために不可欠だからです。 従来のラストクリックアトリビューション(最後のタッチポイントに全ての貢献度を割り当てるモデル)では、コンバージョンに至るまでの他のタッチポイントの貢献度が無視されてしまい、正確な効果測定ができません。

例えば、認知フェーズで重要な役割を果たすSNS広告やディスプレイ広告の貢献度が過小評価され、最終的なコンバージョンに直接繋がる検索広告に予算が集中してしまう可能性があります。アトリビューションモデルを適切に活用することで、各タッチポイントの真の貢献度を把握し、より効果的なマーケティング戦略を立案することが可能になります。

また、アトリビューション分析によって得られたデータは、顧客の購買行動を理解するのにも役立ちます。 顧客がどのような経路でコンバージョンに至っているのかを分析することで、顧客のニーズや行動パターンを把握し、より効果的なマーケティング施策を展開することができます。例えば、SNS広告経由でウェブサイトに訪問したユーザーは、検索広告経由で訪問したユーザーよりも購買意欲が高いといった傾向が分かれば、SNS広告への投資を増やすといった判断ができます。以下に、アトリビューションモデルを導入するメリットをまとめてみました。

メリット              
説明                                                                
マーケティングROIの向上  
各チャネルの貢献度を正確に把握することで、費用対効果の高いチャネルに投資を集中できます。  
顧客理解の深化          
顧客の購買プロセス全体を可視化し、顧客の行動パターンやニーズをより深く理解できます。
マーケティング戦略の最適化
データに基づいた意思決定により、より効果的なマーケティング戦略を策定できます。    

このように、アトリビューションモデルは、現代の複雑なマーケティング環境において、データに基づいた意思決定を行い、成功へと導くための重要なツールと言えるでしょう。


主なアトリビューションモデル

様々な種類のアトリビューションモデルが存在しますが、それぞれの特徴を理解し、自社のビジネスや目的に合ったモデルを選択することが重要です。ここでは代表的なアトリビューションモデルを解説します。

1. ラストクリックアトリビューション

ラストクリックアトリビューションは、コンバージョン直前のタッチポイントに100%の貢献度を割り当てるモデルです。シンプルで分かりやすいというメリットがありますが、コンバージョンに至るまでの他のタッチポイントの貢献度が無視されるため、全体像を把握するには不十分な場合があります。例えば、SNS広告をクリックした後に、検索エンジン経由でサイトに再訪問してコンバージョンした場合、検索エンジンが100%の貢献度として評価されます。

2. ファーストクリックアトリビューション

ファーストクリックアトリビューションは、最初のタッチポイントに100%の貢献度を割り当てるモデルです。認知や最初の接点を重視する場合に有効ですが、コンバージョンに近いタッチポイントの貢献度が軽視される可能性があります。例えば、最初にSNS広告を見て興味を持ったユーザーが、その後メールマガジンやリスティング広告を経由してコンバージョンした場合、SNS広告が100%の貢献度として評価されます。

3. 線形アトリビューション

線形アトリビューションは、コンバージョンに関与した全てのタッチポイントに均等に貢献度を分配するモデルです。全てのタッチポイントを平等に評価できるというメリットがありますが、各タッチポイントの重要度の違いを反映できないというデメリットもあります。例えば、SNS広告、メールマガジン、リスティング広告の3つのタッチポイントを経てコンバージョンに至った場合、それぞれ33.3%の貢献度が割り当てられます。

4. タイムディケイアトリビューション

タイムディケイアトリビューションは、コンバージョンに近いタッチポイントほど貢献度が高くなるように、時間経過とともに重みを付けて評価するモデルです。コンバージョン直前の行動を重視しつつ、それ以前のタッチポイントも考慮できる点が特徴です。例えば、1週間前にSNS広告、3日前にはメールマガジン、そして昨日リスティング広告をクリックして今日コンバージョンに至った場合、リスティング広告への貢献度が最も高く評価されます。

5. U字型アトリビューション

U字型アトリビューションは、最初のタッチポイントとコンバージョン直前のタッチポイントにそれぞれ40%の貢献度を割り当て、残りの20%を中間のタッチポイントに均等に分配するモデルです。最初の顧客接点と最後の後押しを重視する際に有効です。例えば、SNS広告で認知した後、複数のタッチポイントを経て最終的にリスティング広告経由でコンバージョンした場合、SNS広告とリスティング広告にそれぞれ40%、残りのタッチポイントに20%が分配されます。

6. カスタムモデル

カスタムモデルは、上記のモデルをベースに、自社のビジネスや目的に合わせて自由に重み付けを調整できるモデルです。より精緻な分析が可能になりますが、設定が複雑になる場合もあります。例えば、特定のキャンペーンや広告フォーマットを重視する場合などに、個別に重み付けを設定できます。データ分析に基づいて適切な重み付けを設定することで、より正確な効果測定が可能になります。


SNS広告におけるアトリビューションモデルの活用

SNS広告は、他の広告手法と比較して、ユーザーとのエンゲージメントを高めやすく、ブランド認知向上や潜在顧客へのアプローチに効果的です。しかし、コンバージョンに至るまでの顧客のタッチポイントが多岐にわたるため、アトリビューション分析が複雑になりがちです。この章では、SNS広告の特徴とアトリビューションの難しさ、そして適切なモデルの選び方について解説します。

1. SNS広告の特徴とアトリビューションの難しさ

SNS広告は、認知フェーズから購買フェーズまで、顧客ジャーニーの様々な段階で活用されます。そのため、最後のクリックだけがコンバージョンに貢献したとは限らず、他のタッチポイントの影響も考慮する必要があります。例えば、ユーザーが最初にFacebook広告で商品を認知し、その後Instagram広告で商品への興味を深め、最終的に検索広告経由で購入した場合、どの広告にどれだけの貢献度を割り当てるべきかを判断するのが難しいのです。また、SNSにおける口コミやシェアなど、間接的な影響を数値化することも困難です。

2. 適切なアトリビューションモデルの選び方

適切なアトリビューションモデルは、ビジネスの目標や顧客の購買行動によって異なります。例えば、認知度向上を重視する場合は、ファーストクリックアトリビューションが適しています。一方、コンバージョンを重視する場合は、ラストクリックアトリビューションやU字型アトリビューションが有効です。重要なのは、自社のビジネスモデルやKPIに合わせて最適なモデルを選択することです。以下の表を参考に、各SNS広告の特徴を理解し、適切なアトリビューション設定を行いましょう。

プラットフォーム  
特徴                                                  
推奨アトリビューションモデル          
その他                                      
Facebook広告    
詳細なターゲティングが可能。認知度向上からコンバージョンまで幅広い目的で利用できる。    
U字型アトリビューション、タイムディケイアトリビューション
Facebookピクセルを活用したコンバージョントラッキングが重要。
Instagram広告  
視覚的な訴求力が高い。若年層へのリーチに効果的。              
ラストクリックアトリビューション、U字型アトリビューション  
インフルエンサーマーケティングとの連携も有効。  
Twitter広告    
リアルタイムな情報発信に適している。話題性のあるキャンペーンに有効。  
ファーストクリックアトリビューション、ラストクリックアトリビューション
エンゲージメント率も重要な指標となる。          

Facebook広告におけるアトリビューション設定

Facebook広告マネージャでは、コンバージョンのアトリビューション設定をカスタマイズできます。「コンバージョンウィンドウ」でコンバージョンまでの期間を設定し、「アトリビューションモデル」でファーストクリック、ラストクリック、線形など、複数のモデルから選択できます。自社の目的に合わせて適切な設定を行うことで、広告効果の正確な測定が可能になります。

Instagram広告におけるアトリビューション設定

Instagram広告は、Facebook広告マネージャで管理するため、アトリビューション設定もFacebookと同様です。ただし、Instagramは視覚的なプラットフォームであるため、認知度向上やブランドリフトへの貢献を重視する場合、ファーストクリックや線形モデルを検討するのも有効です。

Twitter広告におけるアトリビューション設定

Twitter広告マネージャでも、コンバージョントラッキングとアトリビューション設定が可能です。ウェブサイトクリックやアプリインストールなど、様々なコンバージョンタイプに合わせて最適なアトリビューションモデルを選択できます。また、Twitterアナリティクスを活用することで、エンゲージメントやリーチなどの指標も分析できます。


アトリビューションモデル分析の具体的な手順

アトリビューション分析を実施する具体的な手順は以下のとおりです。適切なツールを選定し、データに基づいて分析・改善を行うことで、SNS広告の効果を最大化できます。

1. ツールを活用したアトリビューション分析

アトリビューション分析を行うには、適切なツールを使用することが不可欠です。主要なツールとその活用方法を解説します。

Googleアナリティクスの活用

Googleアナリティクスは、ウェブサイトへのアクセス状況を分析するための無料ツールです。アトリビューション分析にも活用でき、様々なモデルを適用してコンバージョンの貢献度を分析できます。設定画面から「アトリビューション」を選択し、分析したいモデルを選びましょう。標準搭載されているモデル以外にも、カスタムモデルを作成することで、ビジネスに最適な分析が可能です。Googleアナリティクスで確認できる主な指標は以下のとおりです。

指標                    
説明                                    
コンバージョン数          
各チャネル経由で発生したコンバージョン数                
コンバージョン率          
各チャネル経由のコンバージョン率                        
アトリビューションされたコンバージョン
選択したアトリビューションモデルに基づいて各チャネルに割り当てられたコンバージョン数
アトリビューションされたコンバージョン値
選択したアトリビューションモデルに基づいて各チャネルに割り当てられたコンバージョン値


これらの指標を比較することで、どのチャネルがコンバージョンに貢献しているかを分析し、SNS広告戦略の最適化に役立てることができます。  

例えば、ラストクリックアトリビューションでは最後の接点が重視されるため、検索広告の貢献度が高く表示される傾向があります。一方で、ファーストクリックアトリビューションでは最初の接点が重視されるため、SNS広告など認知フェーズにおけるチャネルの貢献度が高く評価される可能性があります。どのモデルを選択するかは、ビジネスの目標や顧客の購買行動に合わせて検討する必要があります。

2. 広告管理ツールごとの分析機能の活用

Facebook、Instagram、Twitterなどの各SNS広告プラットフォームには、それぞれ独自の分析ツールが備わっています。これらのツールを活用することで、各プラットフォームにおける広告のパフォーマンスを詳細に分析できます。

例えば、Facebook広告マネージャでは、コンバージョンのアトリビューション設定を変更することで、異なるアトリビューションモデルに基づいた結果を確認できます。

また、Instagramインサイトでは、リーチ数、インプレッション数、エンゲージメント数などの指標に加えて、ウェブサイトへのクリック数やコンバージョン数も確認できます。各プラットフォームの分析ツールを効果的に活用することで、より精緻なアトリビューション分析が可能になります。

これらのツールでは、コンバージョンまでの経路や各タッチポイントにおけるユーザー行動を分析できます。例えば、Facebook広告をクリックした後にInstagramの投稿を見て、最終的にウェブサイトから商品を購入した場合、それぞれのタッチポイントがコンバージョンにどのように貢献したかを分析できます。これらのデータに基づいて、各SNSプラットフォームにおける広告戦略を最適化し、費用対効果を最大化することが重要です。

さらに、広告管理ツールによっては、カスタムコンバージョンを設定することで、特定のアクションをコンバージョンとして計測することも可能です。例えば、資料請求や問い合わせフォームの送信などをコンバージョンとして設定することで、より具体的な目標に対する広告効果を測定できます。カスタムコンバージョンを活用することで、ビジネス目標に合わせたアトリビューション分析が可能になります。


5. アトリビューションモデル活用事例

ここでは、アトリビューションモデルを実際に活用した事例をECサイトとBtoB企業の2つのケースで紹介します。これらの事例を通して、アトリビューション分析がビジネスの成果向上にどのように貢献するのかを理解しましょう。

事例1 ECサイトでのアトリビューション分析と改善

ある化粧品ECサイトでは、ラストクリックアトリビューションに基づいて広告効果を測定していました。しかし、コンバージョンに至るまでの顧客の行動を詳しく分析した結果、Instagram広告経由での認知やFacebook広告経由の情報収集など、ラストクリック以前のタッチポイントがコンバージョンに大きく貢献していることが判明しました。

そこで、タイムディケイアトリビューションモデルを導入し、コンバージョンに近いタッチポイントほど高く評価するように変更しました。その結果、各広告の真の貢献度を把握できるようになり、Instagram広告への投資を増やすことで、全体のコンバージョン数が20%向上しました。

具体的な施策

  • Instagram広告では、商品紹介だけでなく、ブランドの世界観や利用者の口コミを発信するコンテンツを増やし、認知度向上とエンゲージメント向上を図りました。
  • Facebook広告では、商品詳細ページへのリンクだけでなく、利用者の悩みに寄り添ったコンテンツやキャンペーン情報を配信し、購買意欲を高める施策を実施しました。
  • Googleアナリティクスを活用し、各チャネルの貢献度を定期的にモニタリングすることで、効果的な広告運用を実現しました。

事例2 BtoB企業のリード獲得におけるアトリビューション分析

あるBtoB SaaS企業では、資料請求数をKPIとして設定し、リード獲得に注力していました。当初は、ラストクリックアトリビューションを採用していましたが、リード獲得までの顧客ジャーニーが複雑であることから、適切な評価ができていないという課題を抱えていました。

そこで、U字型アトリビューションモデルを導入し、最初のタッチポイントと最後のタッチポイントを高く評価し、中間のタッチポイントも一定の評価を与えるように変更しました。この結果、認知獲得に貢献しているブログ記事やホワイトペーパーへの流入を促進するSEO対策、および商談獲得に貢献している営業担当者とのオンライン商談設定ページへの誘導施策の効果が可視化されました。これにより、コンテンツマーケティングと営業活動を連携させることで、リード獲得数が15%増加しました。

施策の効果測定と改善

施策                                
効果                                
改善点                            
SEO対策によるオーガニック検索流入数の増加
認知度向上、リード獲得数の増加      
キーワード選定の精度向上、コンテンツの質向上
ホワイトペーパー作成・配信によるリード獲得
見込み顧客の育成、商談機会の創出    
ターゲットに合わせたコンテンツ作成、配信方法の最適化
オンライン商談設定ページへの誘導強化    
商談率の向上、成約率の向上          
ページデザインの改善、CTAの最適化  


これらの事例は、アトリビューションモデルを適切に活用することで、マーケティング施策の効果を正しく評価し、ビジネスの成果向上に繋げることができることを示しています。自社のビジネスモデルや顧客の行動特性に合わせて最適なアトリビューションモデルを選択し、データに基づいたPDCAサイクルを回すことが重要です。


アトリビューションモデルとSNS広告の効果測定

SNS広告は、認知度向上からリード獲得、購買促進まで、様々なマーケティング目標を達成するための強力なツールです。しかし、その効果を正しく測定し、最適化するためには、アトリビューションモデルの理解と活用が不可欠です。この章では、アトリビューションモデルを活用したSNS広告の効果測定について詳しく解説します。

1. コンバージョンまでの流れを可視化する

SNS広告は、他の広告チャネルと比較して、コンバージョンまでの道のりが複雑になりがちです。ユーザーは、複数のSNSやウェブサイトを訪問し、様々な広告やコンテンツに触れた後に、最終的にコンバージョンに至ることが一般的です。アトリビューションモデルは、この複雑な顧客ジャーニーを可視化し、各タッチポイントの貢献度を分析することを可能にします。

例えば、あるユーザーがInstagram広告で商品を認知し、その後Facebook広告で商品の詳細を確認し、最終的に検索エンジン経由でウェブサイトにアクセスして商品を購入した場合、それぞれのタッチポイントがコンバージョンにどのように貢献したかを分析することができます。ラストクリックアトリビューションであれば検索エンジン経由のアクセスが100%の貢献度となりますが、他のタッチポイントも無視することはできません。適切なアトリビューションモデルを選択することで、各タッチポイントの貢献度を適切に評価し、より効果的なSNS広告戦略を立てることができます。

2. SNS広告の効果を正しく評価する

従来のラストクリックアトリビューションでは、コンバージョン直前のタッチポイントのみが評価されるため、SNS広告のように認知度向上やエンゲージメント向上に貢献するタッチポイントの価値が見落とされがちです。  

多様なアトリビューションモデルを活用することで、SNS広告の真の効果を正しく評価し、投資対効果(ROI)を最大化することができます。

例えば、ファーストクリックアトリビューションを採用することで、最初に顧客をウェブサイトに導いたSNS広告の貢献度を高く評価することができます。また、線形アトリビューションやタイムディケイアトリビューションなどを活用することで、コンバージョンまでのすべてのタッチポイントに適切な重み付けを行い、よりバランスの取れた評価を行うことができます。どのアトリビューションモデルが適切かは、ビジネスの目標や顧客の購買行動によって異なります。

3. アトリビューションモデルに基づいたSNS広告戦略の最適化

アトリビューションモデルを活用することで、どのSNSチャネルや広告クリエイティブが最も効果的にコンバージョンに貢献しているかを把握することができます。  
この分析結果に基づいて、予算配分やターゲティング、クリエイティブなどを最適化することで、SNS広告の効果を最大化することができます。

例えば、ある特定のInstagram広告がコンバージョンへの貢献度が高いことが分かれば、その広告への投資を増やす、または類似の広告を作成するなどの施策を検討することができます。また、Facebook広告が認知度向上に貢献している一方で、Instagram広告が購買促進に貢献していることが分かれば、それぞれのチャネルで異なる目的を設定し、最適な広告戦略を展開することができます。

アトリビューションモデル
特徴
SNS広告への適用
ラストクリックアトリビューション
コンバージョン直前のタッチポイントに100%の貢献度を付与
コンバージョン重視のキャンペーンに適しているが、認知度向上への貢献は評価されにくい
ファーストクリックアトリビューション
最初のタッチポイントに100%の貢献度を付与
認知度向上を重視するキャンペーンに適している
線形アトリビューション
すべてのタッチポイントに均等に貢献度を付与
バランスの取れた評価が可能
タイムディケイアトリビューション
コンバージョンに近いタッチポイントほど貢献度が高くなる
コンバージョンまでの期間が長い場合に有効


上記の表を参考に、自社のビジネス目標や顧客の購買行動に最適なアトリビューションモデルを選択し、SNS広告戦略の最適化に役立てましょう。  Googleアナリティクスや各広告プラットフォームの分析ツールを活用することで、アトリビューション分析を効率的に行うことができます。


まとめ

この記事では、アトリビューションモデルとは何か、そしてSNS広告の効果測定においてどのように活用すべきかを解説しました。アトリビューションモデルとは、コンバージョンに至るまでの各タッチポイントに貢献度を割り当てることで、それぞれの広告施策の効果を正しく評価するための分析手法です。ラストクリックやファーストクリックといったシンプルなモデルから、タイムディケイやU字型、そしてカスタムモデルといった複雑なモデルまで、様々な種類が存在します。記事で紹介したECサイトやBtoB企業の事例を参考に、自社のビジネスに最適なアトリビューションモデルを見つけ、SNS広告戦略の最適化に繋げていきましょう。




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TIMELINE 編集部
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