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ストーリーテリングとは?顧客エンゲージメントを向上させる効果も

「ストーリーテリング」という言葉はよく聞くけれど、実際何なのか、ビジネスでどう活用すればいいのか分からない…そう思っていませんか? この記事では、ストーリーテリングの定義から、売上に繋げるための効果的な活用方法まで、網羅的に解説します。顧客エンゲージメントを高めてブランドイメージを向上させ、最終的に購買意欲を高めるストーリーテリングの手法を理解することができます。この記事を読めば、明日からすぐに使えるストーリーテリングのノウハウが手に入り、売上アップに繋がる効果的な戦略を立てることができるでしょう。


目次[非表示]

  1. ストーリーテリングとは
    1. 1. ストーリーテリングと物語の違い
    2. 2. なぜ今、ストーリーテリングが重要なのか
  2. ストーリーテリングの効果
    1. 1. 顧客エンゲージメントの向上
    2. 2. ブランドイメージの強化
    3. 3. 購買意欲の向上
    4. 4. 口コミ効果の促進
  3. 売上に繋げるためのストーリーテリングの活用方法
    1. 1. ターゲットの明確化
    2. 2. 共感できるストーリーの作成
    3. 3. ストーリー展開の構成
    4. 4. 適切なメディアの選択
  4. 事例から学ぶストーリーテリングの成功の秘訣
    1. 事例1 トヨタ自動車 KINTO
    2. 事例2 サントリー BOSS
    3. 事例3 湖池屋 ポテトチップス
  5. ストーリーテリング構築のステップ
    1. ステップ1 ペルソナ設定
    2. ステップ2 ストーリーの核となるメッセージを決める
    3. ステップ3 ストーリー展開を考える
    4. ステップ4 効果測定と改善
  6. 6. まとめ


ストーリーテリングとは

ストーリーテリングは、情報を伝えるだけでなく、聞き手や読み手に感情的な共鳴を起こさせることを目的としたコミュニケーション手法です。製品やサービスの機能やメリットを説明するだけでなく、それらがどのように人々の生活を豊かにするか、どのような問題を解決するかを物語形式で伝えることで、より深く理解し共感してもらうことができます。また、企業の理念やビジョン、ブランドの価値観をストーリーに乗せて伝えることで、顧客との信頼関係を構築し、ブランドロイヤルティを高める効果も期待できます。ストーリーテリングは、広告、マーケティング、プレゼンテーション、社内コミュニケーションなど、様々な場面で活用されています。

1. ストーリーテリングと物語の違い

ストーリーテリングと物語は混同されがちですが、明確な違いがあります。物語は、出来事の描写を中心としたエンターテイメント性を重視したものです。一方、ストーリーテリングは、特定の目的を持って構成された物語であり、聞き手や読み手に特定の感情や行動を促すことを意図しています。

マーケティングにおけるストーリーテリングでは、商品やサービスの購入、ブランドへの共感、企業理念への理解などを促すことが目的となります。単に面白い物語を語るだけでなく、戦略的な意図を持ってストーリーを構築することが重要です。

2. なぜ今、ストーリーテリングが重要なのか

現代社会は情報過多の時代であり、消費者は日々膨大な量の情報にさらされています。そのため、従来の広告手法のように、単に製品やサービスの機能やメリットを伝えるだけでは、消費者の心を掴むことは難しくなっています。消費者の購買行動は、機能的な価値だけでなく、感情的な価値にも大きく影響されます。ストーリーテリングは、消費者の感情に訴えかけることで、共感や感動を呼び起こし、ブランドへの愛着や信頼感を醸成する効果があります。

また、SNSの普及により、消費者は企業が発信する情報だけでなく、他の消費者からの口コミやレビューなど、多様な情報源から情報を得るようになっています。ストーリーテリングは、口コミを誘発し、ブランドの認知度向上や購買意欲向上に繋げる効果も期待できます。情報過多の現代において、ストーリーテリングは、消費者の心を掴み、行動を促すための強力なツールと言えるでしょう。


ストーリーテリングの効果

ストーリーテリングをビジネスに取り入れることで、様々な効果が期待できます。ここでは、代表的な効果を4つご紹介します。

1. 顧客エンゲージメントの向上

ストーリーテリングは、顧客との感情的な繋がりを築き、エンゲージメントを高める強力なツールです。単なる商品やサービスの説明ではなく、顧客の心に響く物語を伝えることで、共感を生み出し、ブランドへの愛着を育みます。商品やサービスの背景にある想いや、開発に携わった人々の情熱、顧客が実際に商品やサービスを利用することで得られる体験価値などをストーリーで表現することで、顧客はブランドへの親近感を抱き、より深く関わるようになります。結果として、顧客ロイヤルティの向上やリピート率の増加にも繋がります。

2. ブランドイメージの強化

ストーリーテリングは、ブランドイメージの構築や強化にも大きく貢献します。ブランドが持つ価値観や理念、目指す未来などをストーリーで表現することで、顧客はブランドの個性や独自性を理解し、共感することができます。一貫性のあるストーリーを伝えることで、ブランドイメージを明確化し、市場における競争優位性を築くことができます。

また、ストーリーはブランドの人間的な側面を表現する手段としても有効です。創業者のエピソードや、企業が社会貢献活動に取り組む理由などを語ることで、顧客はブランドに信頼感や親しみやすさを感じ、より強い結びつきを持つようになります。

3. 購買意欲の向上

ストーリーテリングは、顧客の購買意欲を高める効果も期待できます。商品やサービスの特徴やメリットを羅列するだけでなく、顧客が商品やサービスを利用することで得られる未来や体験価値をストーリーで描くことで、顧客の想像力を刺激し、購買意欲を高めることができます。「この商品を使うと、こんな素敵な未来が待っている」という期待感を抱かせることで、顧客は購買行動へと繋がりやすくなります。

また、ストーリーは顧客の抱える課題や悩みに共感し、解決策を提示する手段としても有効です。顧客のペインポイントに寄り添ったストーリーを展開することで、商品やサービスの必要性を強く訴求し、購買を後押しすることができます。

4. 口コミ効果の促進

感動的なストーリーは、人から人へと伝播する力を持っています。共感性の高いストーリーは、顧客が自発的にシェアしたくなるコンテンツとなり、口コミ効果の促進に繋がります。ソーシャルメディアや口コミサイトなどで拡散されることで、新たな顧客を獲得するチャンスも広がります。

また、ストーリーは顧客同士のコミュニティ形成を促進する効果も期待できます。共通の価値観や体験に基づいたストーリーを共有することで、顧客同士の共感や一体感を高め、ブランドを中心としたコミュニティを形成することができます。これは、長期的なブランド育成にも繋がる重要な要素です。


売上に繋げるためのストーリーテリングの活用方法

ストーリーテリングを効果的に活用し、売上につなげるためには、綿密な戦略と適切な手法が必要です。ここでは、具体的なステップとポイントを解説します。

1. ターゲットの明確化

まず、誰に語りかけるのかを明確にする必要があります。ターゲット層の属性(年齢、性別、職業、趣味、価値観、ライフスタイル、抱える課題など)を深く理解することで、共感を呼ぶストーリーを作り出す基盤ができます。ペルソナを設定し、具体的な人物像を描き出すことで、より精度の高いターゲット設定が可能になります。

2. 共感できるストーリーの作成

ターゲット層が共感できるストーリーを作成することが重要です。彼らのニーズやペインポイント、そして願望を理解し、ストーリーに反映させることで、感情的な繋がりを築くことができます。商品やサービスの特徴をただ伝えるのではなく、それらがどのようにターゲットの生活を豊かにするか、問題を解決するかをストーリーで示すことが重要です。顧客の成功体験や、企業自身の苦労話、創業秘話なども効果的です。

3. ストーリー展開の構成

効果的なストーリー展開には、いくつかの構成方法があります。代表的なものを紹介します。

起承転結

日本の伝統的なストーリー構成である起承転結は、導入、展開、盛り上がり、そして結論という流れで物語を展開します。安定した構成で、幅広いストーリーに適用できます。導入部分で読者の興味を引きつけ、展開部分で状況を説明し、盛り上がり部分でクライマックスを迎え、結論部分でメッセージを伝える構成です。商品やサービスの誕生秘話や、顧客の成功談などを語る際に有効です。

英雄の旅

ハリウッド映画などでよく用いられる英雄の旅は、主人公が試練を乗り越え成長していく物語です。顧客を主人公に見立て、商品やサービスがどのように彼らの課題解決に役立ち、成長を促すのかを伝えることができます。たとえば、ダイエット食品の広告で、顧客が商品を使ってダイエットに成功し、自信に満ち溢れた生活を送る様子を描く、といった活用が考えられます。

4. 適切なメディアの選択

ストーリーを伝えるメディアは多岐に渡ります。目的に合わせて最適なメディアを選択しましょう。

メディア

メリット

デメリット

活用例

ブログ

詳細な情報を伝えられる、SEO効果が高い

拡散力はやや低い

商品開発ストーリー、顧客インタビュー

SNS

拡散力が高い、リアルタイムな情報発信が可能

情報量に制限がある

キャンペーン告知、ユーザー生成コンテンツ

動画

視覚的に訴求力が高い、感情に訴えやすい

制作コストがかかる

CM、商品紹介動画、ドキュメンタリー


​​​​​​​上記以外にも、イベント、ウェビナー、ニュースレター、ポッドキャストなど、様々なメディアを活用できます。それぞれの特性を理解し、ターゲット層に最適な方法を選択しましょう。例えば、若年層向けにはTikTokやInstagram、ビジネスパーソン向けにはLinkedInやFacebook、詳細な情報を伝えたい場合はブログやウェブサイトが効果的です。複数のメディアを組み合わせて活用することで、相乗効果を生み出すことも可能です。


事例から学ぶストーリーテリングの成功の秘訣

優れたストーリーテリング事例を分析することで、成功の秘訣を学び、自身のストーリーテリングに活かすことができます。ここでは、日本国内で広く知られる企業の成功事例を3つ紹介します。

事例1 トヨタ自動車 KINTO

トヨタ自動車のKINTOは、車のサブスクリプションサービスです。従来の「車を買う」という概念ではなく、「必要な時に、必要な車に乗る」という新しい価値観を提案しています。KINTOのストーリーテリングでは、車を持つことによる負担や煩わしさから解放され、自由に移動を楽しむライフスタイルを鮮やかに描いています。都会での快適なドライブや、家族での週末旅行など、具体的なシーンを通して、KINTOが提供する価値をユーザーに実感させています。車の所有から利用へのシフトという社会変化を捉え、ターゲット層のニーズに的確に応えるストーリーテリングが成功の秘訣です。

 成功のポイント

  • ターゲット層の明確化(車を持たない、または2台目以降の車を探している層)
  • 利用シーンの具体化による価値の訴求
  • シンプルで分かりやすいメッセージ

事例2 サントリー BOSS

サントリーBOSSのCMは、働く人々を応援するメッセージ性の強いストーリーテリングで知られています。宇宙飛行士や教師、建設作業員など、様々な職業の人々がBOSSコーヒーを飲みながら、それぞれの仕事に情熱を燃やす姿を描写しています。「働く人の相棒」というブランドイメージを確立し、幅広い層からの共感を獲得することに成功しています。時代に合わせて働く人の姿を描き続けることで、長年にわたり消費者に愛されるブランドとなっています。

成功のポイント

  • 普遍的なテーマ「働く」への共感
  • 時代を反映したストーリー展開
  • 一貫したブランドメッセージ

事例3 湖池屋 ポテトチップス

湖池屋は、ポテトチップスの製造過程や素材へのこだわりをストーリーテリングで表現しています。「じゃがいも本来の味を最大限に引き出す」という企業理念に基づき、契約農家との連携や独自の製法などを丁寧に伝えています。商品の背景にあるストーリーを伝えることで、消費者の信頼感と購買意欲を高めている点が成功の秘訣です。また、近年では、創業者の想いや企業の歴史を織り交ぜたストーリーテリングも展開し、ブランドへの愛着を深める施策を行っています。

成功のポイント

  • 素材へのこだわりや製造過程の透明化
  • 企業理念に基づいた一貫したメッセージ
  • 創業者の想いや企業の歴史を伝えることでブランドへの愛着を促進

これらの事例から、共感できるストーリー、明確なターゲット設定、適切なメディア選択がストーリーテリング成功の重要な要素であることが分かります。これらの要素を踏まえ、独自のストーリーテリングを構築することで、顧客エンゲージメントを高め、ブランドイメージを強化し、最終的には売上向上に繋げることが可能になります。


ストーリーテリング構築のステップ

効果的なストーリーテリングを行うためには、明確なステップを踏むことが重要です。ここでは、ストーリーテリングを構築するための4つのステップを紹介します。

ステップ1 ペルソナ設定

まず初めに、ストーリーのターゲットとなるペルソナを設定します。ペルソナとは、想定される顧客像を具体的に描いたものです。年齢、性別、職業、趣味、価値観、ライフスタイル、情報収集方法など、詳細なプロフィールを作成することで、よりターゲットに響くストーリーを作成できます。ペルソナが明確でないと、誰に何を伝えたいのかが曖昧になり、効果的なストーリーテリングは難しくなります。

ペルソナ設定シートなどを活用し、具体的な人物像を想像しながら設定しましょう。既存顧客のデータや市場調査の結果などを参考にすると、より精度の高いペルソナ設定が可能になります。

ステップ2 ストーリーの核となるメッセージを決める

ペルソナ設定が完了したら、次にストーリーの核となるメッセージを決定します。伝えたいメッセージが明確でないと、ストーリーが散漫になり、ターゲットの心に響きません。ストーリーを通じて、ターゲットにどのような行動を促したいのか、どのような感情を抱いてほしいのかを具体的に考えましょう。

例えば、商品の購入を促したいのか、ブランドイメージ向上を図りたいのか、企業理念への共感を深めてほしいのかなど、目的を明確にすることで、それに合わせた効果的なメッセージを設定できます。このメッセージは、ストーリー全体の軸となるため、最も重要なステップの一つです。

ステップ3 ストーリー展開を考える

核となるメッセージが決まったら、具体的なストーリー展開を考えます。「売上に繋げるためのストーリーテリングの活用方法 - 3. ストーリー展開の構成」を参考に、ストーリー展開を検討してみてください。

ステップ4 効果測定と改善

ストーリーテリングを実施したら、その効果を測定し、改善していくことが重要です。アクセス数、コンバージョン率、SNSでのシェア数、顧客からのフィードバックなどを分析し、ストーリーがターゲットにどのように受け止められたのかを検証します。

効果が低い場合は、ペルソナ設定、メッセージ、ストーリー展開など、どの部分に問題があったのかを分析し、改善策を検討します。ストーリーテリングは、一度作成したら終わりではなく、継続的に改善していくことで、より効果的なものになります。
効果測定には、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールや、SNSの分析ツールなどを活用すると便利です。また、顧客アンケートやインタビューなども有効な手段となります。


6. まとめ

この記事では、「ストーリーテリングとは何か」という問いから始め、その定義や物語との違い、重要性を解説しました。ストーリーテリングは単なる物語ではなく、聞き手や読み手の感情に訴えかけ、共感や理解を深めるための強力なツールです。現代社会においては、消費者の購買行動が変化し、商品やサービスの機能だけでなく、その背景にあるストーリーや価値観に共感することで購買を決める傾向が強まっています。だからこそ、企業にとってストーリーテリングは、顧客エンゲージメントを高め、ブランドイメージを強化し、最終的に売上向上に繋げるための重要な戦略と言えるでしょう。ぜひ自社のマーケティング戦略にストーリーテリングを取り入れてみてください。




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TIMELINE 編集部
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