
X(Twitter)企業アカウントの運用ガイド!はじめ方から運用戦略まで徹底解説!
企業のX(旧Twitter)アカウントを活用して、ブランディングや集客につなげたいとお考えではありませんか?本記事では、アカウントの立ち上げから運用戦略の設計、効果測定の方法、さらには実際の成功事例まで、企業アカウント運用に役立つ情報を幅広くご紹介しています。
初めての方でもすぐに実践できる内容を中心に、着実に成果を上げるためのポイントを丁寧に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
X(Twitter)企業アカウントとは
X(旧Twitter)は、リアルタイム性の高い情報発信とユーザーとの活発なコミュニケーションが可能なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)です。近年、多くの企業がこのプラットフォームを活用し、ブランド認知度の向上、顧客エンゲージメントの深化、そしてダイレクトな情報提供の場として企業アカウントを運用しています。本章では、X(Twitter)企業アカウントの基本的な定義、個人アカウントとの違い、そして企業が運用するメリットについて詳しく解説します。
1. X(旧Twitter)の概要と企業活用の現状
X(旧Twitter)は、短いメッセージ(ポスト)を手軽に投稿・閲覧できるSNSです。その情報の即時性と拡散力の高さから、最新ニュースの共有、トレンドの発生、社会的な議論の場として機能しています。
企業にとっては、この特性を活かし、新商品やキャンペーン情報をいち早く届けたり、顧客の声をリアルタイムで収集したり、あるいは企業の「中の人」の個性を発信することで親近感を醸成するなど、多岐にわたるマーケティング活動やブランディング戦略に利用されています。特に、ユーザーとの双方向コミュニケーションを重視する企業が増えており、顧客サポートやファンコミュニティ形成の手段としても注目されています。
2. 企業アカウントと個人アカウントの主な違い
X(Twitter)には、企業がビジネス目的で利用する「企業アカウント」と、個人が私的に利用する「個人アカウント」が存在します。両者には、運用目的や利用できる機能、求められる運用体制などに違いがあります。主な違いを以下にまとめました。
項目 |
企業アカウント |
個人アカウント |
---|---|---|
主な運用目的 |
ブランド認知向上、製品・サービスPR、顧客サポート、採用活動、市場調査などビジネス目標の達成 |
情報収集、趣味の共有、友人・知人とのコミュニケーションなど私的な交流や情報発信 |
利用可能な機能(例) |
X広告の出稿、詳細なアナリティクス機能、認証バッジ、複数人でのアカウント管理機能など |
基本的な投稿・閲覧機能、簡易的なアナリティクス機能 |
運用体制 |
マーケティング部門、広報部門など専門チームや担当者による計画的な運用が一般的 |
個人による自由な運用が基本 |
発信内容の責任 |
企業としての公式な発言と見なされ、ブランドイメージに直結 |
個人の意見や感想が主であり、責任も個人に帰属(所属を明示している場合は影響あり) |
コミュニケーションの対象 |
顧客、潜在顧客、株主、メディア、社会全体など広範なステークホルダー |
友人、知人、同じ趣味を持つ人々など、比較的限定された範囲 |
このように、企業アカウントはビジネス成果に繋げるための戦略的な運用が求められます。
3. 企業がX(Twitter)アカウントを運用するメリット
企業がX(Twitter)アカウントを運用することで得られるメリットは多岐にわたります。ここでは、主なメリットを5つ紹介します。
ブランド認知度の向上とイメージ構築
X(Twitter)は非常に多くのユーザーが利用しているため、適切に情報を発信することで、自社のブランドや製品・サービスを幅広い層に認知してもらう機会を増やせます。また、発信するコンテンツのトーン&マナーや、ユーザーとのコミュニケーションを通じて、独自のブランドイメージを構築し、親しみやすさや信頼感を醸成することが可能です。
顧客との直接的なコミュニケーション
X(Twitter)は、顧客と企業が直接的かつリアルタイムに対話できるプラットフォームです。顧客からの質問や意見に迅速に対応することで顧客満足度を高めたり、製品やサービスに関するフィードバックを収集して改善に繋げたりすることができます。このような積極的なコミュニケーションは、顧客ロイヤルティの向上やファンの育成に貢献します。
リアルタイムな情報発信と拡散力
新製品の発表、キャンペーンの告知、イベント情報、さらには緊急時の重要なお知らせなど、企業からのメッセージを即座に多くの人に届けることができます。X(Twitter)の「リポスト(旧リツイート)」機能により、ユーザーが共感したり有益だと感じた情報は自然と拡散されやすく、想定以上の広範囲にリーチする可能性を秘めています。
低コストでのマーケティング活動
X(Twitter)のアカウント開設や基本的な運用は無料で行えます。もちろん、広告出稿や高度な分析ツールを利用する場合は費用が発生しますが、テレビCMや新聞広告といった従来のマス広告と比較して、低コストでマーケティング活動を開始・継続できる点は大きな魅力です。特に中小企業やスタートアップにとっては、効果的なPR手段となり得ます。
X(Twitter)企業アカウント運用の目的設定
X(旧Twitter)の企業アカウントを運用するにあたり、最初に明確にすべきなのが「何のために運用するのか」という目的です。目的が曖昧なままでは、日々の投稿内容や方向性が定まらず、期待する効果を得ることは難しくなります。目的を具体的に設定することで、運用チーム内での共通認識が生まれ、一貫性のあるアカウント運用が可能になります。
企業アカウントの運用目的は、企業のフェーズや事業戦略によって多岐にわたります。例えば、ブランド認知度の向上、見込み顧客の獲得、顧客エンゲージメントの強化、採用活動の促進、カスタマーサポートの充実などが挙げられます。自社の現状の課題や将来的な目標と照らし合わせ、最も優先すべき目的を定めることが重要です。目的が明確であれば、それに紐づく戦略や施策も具体的に描きやすくなります。
Xのエンゲージメントについては、以下の記事も参考にしてみてください。
1. KPI設定の重要性
目的を設定したら、次にその目的の達成度合いを客観的に測るための具体的な指標、すなわちKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定することが不可欠です。KPIを設定することで、運用状況を定期的に評価し、データに基づいて改善策を講じることができます。
優れたKPIは、設定した目的に直結するものであり、かつ測定可能でなければなりません。例えば、「ブランド認知度向上」が目的ならば、インプレッション数やリーチ数、フォロワー増加数、プロフィールへのアクセス数などがKPI候補となります。「顧客エンゲージメント強化」が目的ならば、いいね数、リポスト(旧リツイート)数、返信数、エンゲージメント率などが考えられます。KPIを設定する際には、SMARTの法則(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性がある、Time-bound:期限がある)を意識すると、より実効性の高い指標となります。
2. 具体的なKPI例
X(Twitter)企業アカウント運用における具体的なKPIの例を、一般的な運用目的別にいくつかご紹介します。これらはあくまで一例であり、自社の事業内容、ターゲット顧客、そして設定した運用目的に合わせて最適なKPIを選択・調整することが肝心です。また、複数のKPIを組み合わせて多角的に効果を測定することも有効です。
運用目的 |
KPIの例 |
測定指標の例(何を測るか) |
---|---|---|
ブランド認知度向上 |
インプレッション数 |
投稿がユーザーのタイムラインに表示された総回数 |
ブランド認知度向上 |
リーチ数 |
投稿を閲覧したユニークユーザーの数 |
ブランド認知度向上 |
フォロワー増加数 |
一定期間内におけるフォロワーの純増数または増加率 |
ブランド認知度向上 |
プロフィールへのアクセス数 |
アカウントのプロフィールページが閲覧された回数 |
見込み顧客獲得・ウェブサイト誘導 |
ウェブサイトクリック数(リンククリック数) |
投稿内のURLがクリックされた回数 |
見込み顧客獲得・ウェブサイト誘導 |
コンバージョン数(資料請求、問い合わせ、購入) |
X経由でのウェブサイト上での目標達成数(Google Analytics等で計測) |
顧客エンゲージメント強化 |
エンゲージメント総数 |
いいね、リポスト、返信、引用、詳細クリックなどのユーザーアクションの総数 |
顧客エンゲージメント強化 |
エンゲージメント率 |
(エンゲージメント総数 ÷ インプレッション数) × 100% |
顧客エンゲージメント強化 |
返信数・メンション数 |
ユーザーからの返信やアカウント名を含む言及の数 |
カスタマーサポート・ロイヤルティ向上 |
問い合わせへの平均返信時間 |
顧客からの問い合わせ(DMや返信)に対する平均対応時間 |
カスタマーサポート・ロイヤルティ向上 |
ポジティブなUGC数 |
ブランドや商品に関する好意的な投稿や口コミの数(モニタリングが必要) |
採用活動支援 |
採用関連ページへの誘導数 |
採用関連投稿から求人情報ページへのクリック数 |
採用活動支援 |
採用に関するエンゲージメント数 |
採用関連投稿へのいいね、リポスト、応募に関する質問の数 |
これらのKPIは、X(Twitter)アナリティクスやサードパーティ製のSNS分析ツールを用いて定期的に測定・分析し、その結果を基に運用戦略の見直しやコンテンツ改善に役立てましょう。目標とするKPIの数値を具体的に設定し、それに向けてPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を継続的に回していくことが、X(Twitter)企業アカウント運用の成果を最大化するための鍵となります。
Xのアナリティクスについては、下記の記事も参考にしてみてください。
X(Twitter)企業アカウントの始め方
X(旧Twitter)で企業アカウントを効果的に運用するためには、まず適切な初期設定が不可欠です。ここでは、アカウント作成から運用担当者の選定まで、スムーズにスタートを切るためのステップを詳しく解説します。
1. アカウント作成手順
X(旧Twitter)の企業アカウント作成は、個人アカウント作成と基本的な流れは同じですが、企業としての利用を意識した情報入力が求められます。以下の手順で進めましょう。
-
X(旧Twitter)公式サイトまたはアプリへアクセス
ウェブブラウザでX(旧Twitter)の公式サイトにアクセスするか、スマートフォンアプリを起動します。 -
アカウント作成を選択
トップページにある「アカウントを作成」や「登録」といったボタンをクリックします。 -
必要情報の入力
企業名(またはアカウント名として表示させたい名前)、電話番号またはメールアドレス、生年月日(企業の設立日などを設定可能)を入力します。電話番号やメールアドレスは、企業で管理できるものを使用しましょう。 -
カスタマイズ設定
X(旧Twitter)の利用状況を追跡して体験をカスタマイズするかどうかの設定を行います。企業のプライバシーポリシーに合わせて選択してください。 -
認証
入力した電話番号またはメールアドレス宛に認証コードが送信されます。受信したコードを入力してアカウントを認証します。 -
パスワード設定
セキュリティを考慮し、推測されにくい複雑なパスワードを設定します。大文字・小文字・数字・記号を組み合わせることを推奨します。 -
初期プロフィール設定
プロフィール画像、自己紹介、ユーザー名(@から始まるID)などを設定できますが、詳細は次の「プロフィール設定のポイント」で解説します。 -
興味のあるトピック選択・おすすめアカウントフォロー
後からでも設定可能です。企業の運用方針に合わせて選択またはスキップしてください。 -
2要素認証の設定(推奨)
アカウント作成後、設定メニューから2要素認証を必ず設定しましょう。不正アクセスリスクを大幅に軽減できます。
2. プロフィール設定のポイント
プロフィールは、ユーザーがアカウントを訪問した際に最初に目にする「企業の顔」です。ターゲットユーザーに企業の魅力が伝わり、フォローしたくなるような情報を盛り込むことが重要です。以下のポイントを押さえて設定しましょう。
項目 |
設定内容のポイント |
備考 |
---|---|---|
アカウント名(表示名) |
企業名、ブランド名、サービス名を正式名称で記載。検索しやすい、認知度の高い名称を選ぶ。 |
最大50文字 |
ユーザー名(@ID) |
企業名やブランド名と関連性があり、短く覚えやすい文字列に。アルファベット、数字、アンダースコア使用可能。 |
最大15文字、変更は可 |
プロフィール画像 |
ロゴやブランドを象徴する画像。円形にトリミングされることを考慮し、中心に主要な要素が収まるようにする。 |
推奨サイズ:400×400ピクセル |
ヘッダー画像 |
世界観、キャンペーン情報、キャッチコピーを効果的に表示。 |
推奨サイズ:1500×500ピクセル |
自己紹介(Bio) |
企業の概要や発信内容を簡潔に記載。ターゲット層に響くキーワードやハッシュタグ(1〜2個)を含めると効果的。 |
最大160文字 |
場所 |
本社や店舗の所在地などを記載。実店舗への来店促進にも繋がる。 |
|
ウェブサイトURL |
公式サイト、ECサイト、採用ページなどユーザーを誘導したいURLを設定。 |
|
誕生日 |
企業の設立日など任意で設定可。公開・非公開を選択可能。 |
|
プロフェッショナルアカウントへの切り替え |
ビジネスカテゴリ設定や機能拡張のため「プロフェッショナルアカウント」に切り替えを検討。 |
設定メニューから切り替え可能 |
これらのプロフィール項目を丁寧に設定することで、アカウントの信頼性が高まり、ユーザーエンゲージメントの向上に繋がります。
X(Twitter)企業アカウント運用戦略
X(Twitter)企業アカウントの運用を成功させるためには、明確な戦略に基づいた計画的なアクションが不可欠です。場当たり的な運用では期待する成果を得ることは難しいでしょう。この章では、効果的なアカウント運用を実現するための具体的な戦略について詳しく解説します。
1. ターゲット設定
X(Twitter)運用戦略の最初のステップは、「誰に」「何を」届けたいのかを明確にすることです。ターゲットユーザーを具体的に設定することで、発信する情報の方向性が定まり、より効果的なコミュニケーションが可能になります。ターゲット設定には、ペルソナ(具体的なユーザー像)を作成することが有効です。
ペルソナ設定では、以下のような項目を具体的に定義します。
項目 |
具体例 |
---|---|
年齢・性別 |
30代前半・女性 |
職業・役職 |
都内IT企業勤務・マーケティング担当 |
ライフスタイル |
平日は仕事中心、休日は趣味や自己啓発に時間を使う。情報収集は主にスマートフォン。 |
X(Twitter)利用目的 |
最新トレンドの把握、興味のある分野の情報収集、専門家の意見の参照 |
抱えている課題・ニーズ |
新しいマーケティング手法を学びたい、業務効率を上げたい、同年代のキャリアに関心がある |
情報収集の傾向 |
信頼できる情報源をフォロー、有益な情報はリポストやいいねで保存する |
このように詳細なペルソナを設定することで、ターゲットユーザーがどのような情報に興味を持ち、どのような言葉遣いや表現が響くのかを具体的にイメージできるようになります。これにより、メッセージの精度を高め、エンゲージメント獲得に繋げることができます。
2. 競合分析
次に重要なのは、競合となる企業アカウントの動向を分析することです。競合分析を行うことで、自社の強みや弱み、市場でのポジショニングを客観的に把握し、運用戦略の改善点や差別化ポイントを発見できます。また、成功しているアカウントの運用方法を参考にすることも可能です。
競合分析では、主に以下の項目に注目します。
分析項目 |
チェックポイント |
---|---|
アカウント概要 |
プロフィール、フォロワー数、フォロー数、アカウントのテーマ・コンセプト |
投稿内容 |
コンテンツの種類(テキスト、画像、動画など)、情報の内容(製品情報、お役立ち情報、キャンペーンなど)、トーン&マナー |
投稿頻度・時間帯 |
1日あたりの投稿数、投稿している曜日や時間帯の傾向 |
エンゲージメント |
いいね数、リポスト数、リプライ数、エンゲージメント率(可能であれば推定) |
ハッシュタグ活用 |
使用しているハッシュタグの種類、数、独自ハッシュタグの有無 |
ユーザーとのコミュニケーション |
リプライへの返信、ユーザーからのメンションへの反応 |
これらの情報を収集・分析し、自社アカウントが取るべき戦略や、参考にすべき点、避けるべき点などを明確にしましょう。ただし、単に真似をするのではなく、自社のブランドやターゲットに合わせて最適化することが重要です。
3. コンテンツ戦略
ターゲットと競合の状況を把握したら、次は具体的なコンテンツ戦略を策定します。ユーザーにとって価値があり、かつ自社の目的達成に貢献するコンテンツを継続的に発信することが、X(Twitter)運用の核となります。
投稿内容の決め方
投稿内容は、「企業が伝えたいこと」と「ユーザーが知りたいこと・見たいこと」のバランスを考慮して決定します。一方的な宣伝ばかりではユーザーに敬遠されてしまうため、エンゲージメントを高めるためには、ユーザーにとって有益で魅力的な情報を提供することが不可欠です。
具体的な投稿内容のアイデア:
- お役立ち情報・ノウハウ
- 製品・サービスの魅力紹介(顧客の声や開発秘話などを交えて)
- 業界ニュース・トレンド情報
- 企業の裏側・社風紹介(社員インタビュー、イベントなど)
- ユーザー参加型コンテンツ(アンケート、クイズ、大喜利など)
- 共感を呼ぶコンテンツ(日常の一コマや感動エピソード)
- 季節の挨拶や時事ネタ(慎重に)
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)の紹介
これらの要素を組み合わせて多角的に発信し、画像・動画・GIFなども活用して視覚的な訴求力を高めましょう。
投稿頻度と時間帯
コンテンツの質と同様に、適切な投稿頻度と時間帯を見極めることもエンゲージメント向上には欠かせません。
検討ポイント |
詳細 |
---|---|
ターゲットの活動時間 |
通勤・通学、昼休み、夜間など。ペルソナに合わせて仮説を立てる |
投稿内容との関連性 |
ビジネスマン向けは平日朝や夜、主婦層向けは日中など |
Xアナリティクスの活用 |
投稿の反応が良かった時間帯を分析し、最適化 |
投稿頻度の一貫性 |
無理のない範囲で、週3回・毎日など一定のリズムを保つ |
予約投稿の活用 |
最適時間に自動で投稿できるように予約機能やツールを活用 |
定期的に分析を行い、自社にとってベストな投稿タイミングをPDCAで見つけましょう。
ハッシュタグ戦略
ハッシュタグ(#)は、投稿の発見性を高め、特定のトピックに関心を持つユーザーに情報を届けるための強力なツールです。
ハッシュタグの種類 |
ポイント |
---|---|
一般名詞・キーワード |
#マーケティング など。検索されやすいが競合も多いため差別化が必要 |
ブランド・独自ハッシュタグ |
#〇〇社の日常 #商品名使ってみた。認知向上やUGC収集に有効 |
トレンドハッシュタグ |
話題に乗ることで拡散しやすいが、無関係な便乗は避ける |
コミュニティハッシュタグ |
#猫好きさんと繋がりたい など、趣味・関心を持つ層にリーチできる |
イベントハッシュタグ |
#バレンタイン や #〇〇セミナー など特定の時期やイベントに合わせた訴求が可能 |
投稿に含めるハッシュタグの数は、一般的に1~3個程度が適切とされています。あまり多くつけすぎると、かえってユーザーに読みにくい印象を与えたり、スパムと誤解されたりする可能性もあります。関連性の高いキーワードを選び、戦略的に活用しましょう。また、定期的にハッシュタグの検索ボリュームやトレンドをチェックし、戦略を見直すことも重要です。
X(Twitter)企業アカウントの効果測定
X(Twitter)企業アカウントの運用成果を最大化するためには、定期的な効果測定とそれに基づく改善活動が不可欠です。運用目的(KPI)の達成度合いを客観的に把握し、戦略の妥当性を検証することで、より効果的なアカウント運用へと繋げることができます。この章では、効果測定の具体的な方法について解説します。
1. 分析ツールの活用
X(Twitter)の運用効果を測定するためには、分析ツールの活用が欠かせません。最も基本的なツールとして、X(Twitter)公式の「Xアナリティクス(旧Twitterアナリティクス)」があります。
Xアナリティクスでは、アカウント全体のパフォーマンスや個々のポスト(旧ツイート)に対するユーザーの反応を詳細に確認できます。具体的には、以下のような指標を把握することが可能です。
主要な指標 |
説明 |
---|---|
インプレッション数 |
ポストがユーザーのタイムラインに表示された回数 |
エンゲージメント数 |
ポストに対するユーザーのアクション(いいね、リポスト、返信、クリックなど)の総数 |
エンゲージメント率 |
インプレッション数に対するエンゲージメント数の割合 |
フォロワー数の増減 |
特定期間内のフォロワー数の変化 |
プロフィールへのアクセス数 |
プロフィールページが閲覧された回数 |
リンクのクリック数 |
ポスト内のURLがクリックされた回数 |
Xアナリティクス以外にも、より高度な分析機能やレポーティング機能を提供するサードパーティ製のSNS分析ツールも多数存在します。自社の目的や予算に合わせて、最適なツールを選定しましょう。重要なのは、ツールから得られたデータを基に具体的な改善アクションに繋げることです。
Xのアナリティクスについては、下記の記事も参考にしてみてください。
2. エンゲージメント率の分析
X(Twitter)企業アカウントの運用において、エンゲージメント率は非常に重要な指標です。エンゲージメントとは、ユーザーが企業のポストに対して行う「いいね」「リポスト(旧リツイート)」「返信(リプライ)」「クリック(詳細表示、リンク、ハッシュタグ、プロフィールなど)」といった能動的な反応のことを指します。
エンゲージメント率は、以下の計算式で求められます。
エンゲージメント率(%) = (総エンゲージメント数 ÷ 総インプレッション数) × 100
エンゲージメント率が高いということは、多くのユーザーが企業の投稿に興味を持ち、何らかのアクションを起こしたことを意味します。情報の拡散効果やユーザーとのコミュニケーション深化が期待できます。
Xのエンゲージメントについては、以下の記事も参考にしてみてください。
3. フォロワー数の推移
フォロワー数は、X(Twitter)企業アカウントの影響力を測る基本指標の一つです。フォロワーが多いほど、企業のメッセージがより多くの人に届く可能性が高まり、ブランド認知度の向上や潜在顧客へのリーチ拡大に繋がります。
フォロワー数の増減を分析することで、どの施策が有効だったのか、どの投稿がユーザーに支持されたのかを可視化できます。キャンペーンや話題性の高い投稿がフォロワー増に寄与しているのであれば、それらをベースにした戦略を今後も活用できます。
X(Twitter)企業アカウントの成功事例
多くの企業がX(旧Twitter)を効果的に活用し、ブランド認知度向上や顧客エンゲージメント強化に成功しています。ここでは、特に参考となる国内企業の成功事例を3つご紹介します。自社運用のヒントとして活用ください。
事例1:インテリア会社A
インテリア会社A は、X(旧Twitter)を通じて親密な顧客関係の構築に成功しています。季節感あふれる商品紹介や生活情報の発信、丁寧なユーザー対応が特徴です。
特に注目すべきは「中の人」の存在。ユーモアと誠実さを持った投稿で距離を縮め、共感を呼ぶアカウント運用を実現しています。プレゼント企画やキャンペーンも積極的に実施しており、高いエンゲージメントを維持しています。
成功のポイント
項目 |
内容 |
---|---|
主なアカウントの特徴 |
季節商品紹介、親しみやすい中の人、ユーザー対応、キャンペーン実施 |
成功のポイント |
ターゲット層のニーズに合った情報発信、ユーモアと誠実さの両立、参加型企画の展開 |
学べること |
顧客の日常に寄り添い、人間味ある発信を続けることが、長期的なファン育成に繋がる |
事例2:飲食店B
飲食店B は、X(旧Twitter)を活用し、視覚的に訴える「飯テロ」投稿や、ユーザーとの積極的なコミュニケーションによって成功を収めている代表的な企業です。
特に、シズル感たっぷりの商品画像や動画はユーザーの食欲を刺激し、来店意欲を掻き立てています。加えて、トレンドや時事ネタを取り入れたユーモアあふれる投稿は、幅広い層にリーチしやすく、情報の拡散力を高めています。
さらに、アカウントを運用する「中の人」の存在感も大きな魅力です。個性のある語り口で、ユーザーのリプライにも積極的に反応し、親近感とエンゲージメントを高めています。
成功のポイント
項目 |
内容 |
---|---|
主なアカウントの特徴 |
飯テロ画像・動画、キャンペーン告知、ユーモア投稿、個性的な中の人の応答 |
成功のポイント |
視覚的に魅力ある投稿、タイムリーな発信、親しみやすさ、顧客の声を反映した対応 |
学べること |
主力商品の魅力を最大限に引き出すコンテンツと、ユーモアある対応がファン育成と来店促進に効果的 |
事例3:電機メーカーC
電機メーカーC は、X(旧Twitter)における企業アカウント運用のパイオニアとして注目を集めています。製品の紹介に留まらず、時事ネタへのウィットに富んだコメントや、他社アカウントとの軽妙なやり取りなど、エンタメ性の高い投稿が特徴です。
「中の人」のユーモラスで親しみやすいキャラクターは、フォロワーからの高い共感を呼び、X内での高いエンゲージメントを獲得。時にはネットミームや流行語に即座に反応し、プラットフォームならではの「ノリの良さ」を活かした投稿が、Xユーザーにとっても“参加したくなる”空気を生み出しています。
一方で、製品情報の発信も適切なタイミングで行っており、情報とエンタメのバランスに優れた運用が光ります。炎上リスクにも敏感に対応しながら、他企業には真似しにくい個性的なアプローチを確立しています。
成功のポイント
項目 |
内容 |
---|---|
主なアカウントの特徴 |
ユーモア満載の投稿、時事ネタ活用、他社との交流、「中の人」の強いキャラクター |
成功のポイント |
自由で遊び心ある投稿、トレンド感度の高さ、ユーザーとの対話姿勢、炎上リスク管理のバランス感覚 |
学べること |
「中の人」の個性とX文化を融合させることで、ファンとの距離を縮め、強固なブランドロイヤルティを構築可能 |
X(Twitter)企業アカウントの注意点
X(旧Twitter)企業アカウントの運用は大きな効果を生む一方で、いくつかのリスクを伴います。ここでは、企業が避けるべき代表的なリスクとその対策について解説します。
1. 炎上対策
企業アカウントが炎上すると、ブランド毀損や顧客離れ、最悪の場合は株価下落などの深刻な影響を受けることもあります。以下のような対策を事前に講じておくことが重要です。
- 投稿前のダブルチェック体制の導入
- 差別的・攻撃的な表現の排除
- 曖昧表現や時事ネタへの慎重な対応
- 社内のソーシャルメディア運用ポリシー策定と共有
炎上発生時の対応フロー
- 速やかな事実確認
- 必要であれば誠実に謝罪
- 感情的な反論の回避
- 広報・法務等の関係部署と連携
- 鎮静化後の原因分析と再発防止策の実行
2. 著作権・肖像権
Xでは特に他者の著作物や人物画像の無断使用による法的トラブルが起こりやすく、企業の社会的信用を損なうリスクがあります。
主なリスク例
- 他者の投稿(画像・動画・文章)の無断転載
- キャラクターやロゴの無断使用
- 一般人・従業員の顔が特定できる画像の無断公開
権利の種類 |
注意すべき点 |
対策内容 |
---|---|---|
著作権(テキスト) |
無断転載、引用ルールの不遵守 |
出典の明記、引用の目的と分量を守る |
著作権(画像・動画) |
フリー素材やネット上の画像の安易な使用 |
自社制作素材の使用、ライセンス明記素材の利用、商用利用可否の確認 |
著作権(音楽) |
動画内BGMに市販曲を使用 |
著作権フリー音源の活用、JASRACなどを通じた使用許可取得 |
肖像権 |
顔が特定できる個人の無許可使用 |
撮影時の同意取得、写り込みのぼかし・配慮、イベント参加者・従業員にも同意を明確に取る |
X(旧Twitter)のスピード感ある発信では、つい軽率になりがちですが、法的リスクや社会的責任を常に意識して運用を行うことが重要です。
3. 個人情報保護
X(旧Twitter)運用においては、個人情報の取り扱いにも細心の注意が必要です。漏洩や不適切な管理が発生すれば、企業の信頼が損なわれ、個人情報保護法に基づく法的責任を問われるリスクもあります。
主なリスク例
- DMでの顧客情報の安易な共有・保存
- プレゼントキャンペーン応募者の情報管理不備
- アカウントの乗っ取りによる個人情報の流出
対策
- 取得目的の明示と同意取得
- 必要最小限の情報収集に留める
- 厳重な情報管理体制(アクセス制限、2要素認証等)
- DMでのセンシティブ情報のやり取りを避け、専用フォームに誘導
- プライバシーポリシーの整備と公開
- 社内教育と報告・対応フローの整備
特にユーザー参加型キャンペーンでは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)に関する著作権・利用権の帰属について、応募要項で明示しておくことが重要です。必要に応じて法務部門や専門家の確認を得ましょう。
まとめ
X(Twitter)は、企業が顧客と直接繋がり、ブランド価値を高める強力なプラットフォームです。本記事では、目的設定から戦略立案、効果測定、炎上対策など運用に必要な要素を網羅的に解説しました。
このガイドをもとに、貴社に合った運用戦略を構築し、長期的なファン獲得とビジネス成長に繋がるアカウントを育てていきましょう。
SNSアカウント運用の支援についてはTIMELINEまでお気軽にご連絡ください。