
TikTok Spark Adsとは?ユーザー投稿を広告に変える新しい手法
TikTokはダイナミックで革新的な広告形式で多くの企業に注目されています。その中でも「Spark Ads」は、既存のコンテンツを最大限に活用し、より効果的にターゲット層にアプローチできる広告形式として注目されています。この記事では、Spark Adsの概要、メリット・デメリットを深掘りし、Spark Adsの活用シーンについても解説します。
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Spark Adsとは
Spark Ads(スパークアズ)とは、TikTokにおける広告形式の一つで、自社または第三者がTikTokに投稿したオーガニック動画を、「広告素材」として再利用できる広告形式です。
この形式は、インフィード内に表示され、「広告っぽさ」を感じさせず、視聴者に自然に受け入れられる点が特徴です。通常の広告よりさらに高いエンゲージメントとブランド認知を獲得することが可能です。
通常、TikTok 広告の広告文は絵文字やハッシュタグを使うことができませんが、Spark Ads では、投稿された動画、音源、投稿文をそのまま広告に利用することができます。
Spark Adsのメリット
Spark Adsを活用することで得られるメリットは多岐にわたります。特に、ネイティブ広告としての特性や、ユーザー生成コンテンツの活用による効果などが注目されています。
1. 優れたパフォーマンス実績
Spark Adsはユーザー生成コンテンツをベースにしているため、視聴者が広告として認識することなく、自然に受け入れられやすくなります。その結果、視聴完了率やエンゲージメント、コンバージョン率が通常の広告よりも高くなる傾向があります。
TikTok公式のデータによると、TikTok Spark Adsは通常の広告と比較して、動画視聴完了率が30%増加、エンゲージメント率が142%増加、CVRが43%増加するなど、全体的に成果が向上することがわかっています。
2. 既存コンテンツ活用による工数削減
既に作成されたコンテンツや、ユーザーによって投稿されたコンテンツを広告として活用することができるため、新たに広告用のクリエイティブを作成する手間を省くことができます。これにより、広告制作のコストと時間を削減することができます。
3. 詳細な効果測定が可能
オーガニック投稿ではパフォーマンスの測定が難しくなりますが、広告として出稿するSpark Adsでは、CTAボタンを設置することで購買数や遷移率などを簡単に測定できるようになります。
また、インプレッション数やエンゲージメント率、クリック数といった詳細なパフォーマンスデータも取得可能です。このデータをもとに広告効果を検証することで、改善策に繋げることができます。
Spark Adsのデメリット
Spark Adsにもいくつかのデメリットがあります。広告主がこれらを理解しておくことで、より効果的に活用することができます。
1. 広告配信以外にコストがかかる
ひとつ目のデメリットは、インフルエンサーを起用することによる広告配信以外のコストが必要になることです。ユーザー生成コンテンツを活用する場合、そのコンテンツの二次利用費用や使用許可を得るための手間とコストなど、広告配信とは別に費用が発生します。
2. インフィード広告と比較して広告離脱率が高い
SparkAdsはインフィード広告と比較して、遷移率が低くなりやすい傾向にあります。その理由は、インフィード広告はアイコン画像、CTAボタン、ユーザー名の3つが遷移ポイントとなりますが、SparkAdsの場合CTAボタンしか遷移ポイントがないことが挙げられます。アイコン画像やユーザー名をクリックするとインフルエンサーのプロフィールへの遷移してしまうため、広告離脱率が高くなってしまうのです。
3. 直接購入につながりにくい場合もある
SparkAdsを利用してブーストされたコンテンツは、広告感が薄く、視聴者に受け入れられやすいメリットがある反面、訴求力という点では若干弱くなる傾向にあります。
一方で、ユーザーに興味を持たせるという点では、視聴数や視聴時間を高める目的で作成しているため、認知拡大の効果は期待できます。
そのため、TikTok Spark Adsで直接コンバージョン獲得につなげるというよりは、認知というマーケティング要素に特化し、他の動画や広告と合わせ展開していくと効果的です。
Spark Ads の活用シーン
Spark Adsは、さまざまな企業のマーケティング活動に活用されています。特に、商品を使用している様子やユーザー目線でのレビューが購入や契約の決め手になる商材に適しており、アパレルや美容関連の商品を取り扱う企業で大きな成果を上げています。
また、これまではクリエイター投稿や企業アカウント投稿との連携が一般的でしたが、最近では一般の消費者が投稿したレビューを活用するケースも増えてきています。
Spark Adsの課金・入札方式
Spark Ads には、4種類の課金・入札方式があります。
CPM(インプレッション課金)
oCPM(最適化インプレッション課金)
CPV(再生課金)
CPC(クリック課金)
1. CPM(インプレッション課金)
インプレッション課金(Cost per Mille)とは、広告の1,000回表示あたりのコストで入札を行う課金方式です。
リーチ数の多さに重点を置いた入札方式で、TikTok側は広告主の予算に応じて広告の露出を高め、 実際のインプレッション(=1表示)単価が入札設定額に近づくよう可能な限り調整します。
計算方法: 合計コスト ÷ インプレッション数 ✕ 1,000
課金ポイント:インプレッション発生ごとに課金
適用可能なプロモーション目的:リーチ
2. oCPM(最適化インプレッション課金)
最適化インプレッション課金(optimized Cost per Mille )も、CPMと同じく広告の1,000回表示あたりのコストで入札を行う課金方式です。
CPMがリーチ数の多さに重点を置いているのに対し、oCPMはフォロワーの獲得やアプリのインストールなど、成果に重点を置いた入札方式です。
計算方法:合計コスト÷ 合計インプレッション数 ✕ 1,000
課金ポイント:インプレッション発生ごとに課金
適用可能なプロモーション目的:フォロワー獲得、コンバージョン、アプリのインストール
3. CPV(再生課金)
再生課金(Cost Per View)とは、6秒または2秒の動画再生1,000回あたりのコストで入札を行う課金方式です。
動画の視聴率アップに重きを置いた入札方式で、TikTok側は広告主の予算に応じて動画の再生回数を最大限に高め、実際の再生1,000回あたりのコストが入札設定額に近づくよう調整します。
計算方法:合計コスト ÷ 視聴回数 ✕ 1,000
課金のタイミング:動画が再生されてから2秒、または6秒の時点
適用可能なプロモーション目的:動画視聴
4. CPC(クリック課金)
クリック課金(Cost Per Click)とは、1クリックあたりの広告コストで入札を行う課金方式です。
TikTok側は、クリックする可能性の高いユーザーに広告を配信し、広告主の予算に応じてクリックあたりのコストが入札提示額に可能な限り近づくよう調整します。
計算方法:合計コスト÷クリック件数
課金のタイミング:クリックされる度に課金
適用可能なプロモーション目的:トラフィック、アプリのインストール、コンバージョン
まとめ
Spark Adsは、TikTokにおける非常に効果的な広告手法であり、特にネイティブ広告として視聴者に親和性が高く、ユーザー生成コンテンツを活用できる点が大きな魅力です。しかし、コストや離脱率など、デメリットも存在します。広告主がこれらの特性を理解した上で、適切なターゲット設定とクリエイティブ選定を行うことが成功の鍵となります。
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